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人間開発指数の改善進む=ブラジルの世界ランク73位に

ニッケイ新聞 2010年11月6日付け

 4日の国連発表によると、ブラジルの人間開発指数は0・699を記録し、世界ランキング73位と5日付伯字紙が報じた。
 世界169カ国を対象に行われた調査結果をまとめたもので、09年のランキングからは4つ改善。1位のノルウェーは0・938、最下位のジンバブエは0・140という数字からもわかるように、0~1の数値で表される同指数は、各国の生活水準改善などの実態を如実に示す。
 20年前に導入されたときには国民1人当たりの国内総生産のみが判断基準だった同指数は、基礎教育の普及度、保健衛生施設へのアクセスの容易さなどを総合評価出来るよう改善が加えられ、今日に至っている。
 ブラジルの0・699という数字は、前記3分野の評価を総合したもので、0・677を記録した85位のトンガまでは開発国入り。0・785以上の高開発国は42カ国で、米州では0・902の米国の4位、0・888のカナダの8位が群を抜く。
 南米では0・783で45位のチリが最高で、ブラジルは、46位のアルゼンチンや52位のウルグアイ、63位のペルーの後塵を拝した。
 昨年よりは4ランク向上したものの、経済力に比較して順位が低い原因は、教育や衛生面の評価が低いためで、平均修学年数は102位の7・2年。青年層だけの場合は13・8年で54位。
 平均寿命は72・9歳で76位。国民1人当たりの国内総生産は1万607ドルで70位だが、地域格差が大きい事や下水施設の普及度が低い事などが総合評価を低くしている。
 ジウマ次期大統領は、先日行った記者会見で、新政権では教育や保健衛生も重視すると発言しており、今後の改善が待たれるところだ。