ニッケイ新聞 2010年11月9日付け
人口の13・4%、2580万人を数えるコリンチアンスファンの財布の中身は推定2040億レアル。その大半は、伯社会で大きく成長する中級階層だ。独自の有料チャンネルを開設したコリンチアンスが今度は独自薬局の開店、オリジナルの携帯電話をデザインするなど積極的な経済戦略を展開する。6日付フォーリャ紙が報じた。
コリンチアンスの昨年度収入は、前年度54%増しの1億8100万レアル。クラブのマーケティング担当カイオ・カンポス氏は「ファンの構成はブラジルで成長する中級階層が厚く、8~9割が高所得者の多い南部、南東部に集中している」と説明。「様々な商品を揃え、ファンの購買力をあおりたい」と期待する。
15日以内に、クラブの球場があるサンパウロ市サンジョルジ公園内にTimao(コリンチアンスの呼称)薬局の1号店がオープン。昨年Hypermarcasに買収されたNeo Quimicaがスポンサーとなり、150万レアルの投資で実現した。
薬品のほか、クラブのロゴマーク入りの石鹸、シャンプー、紙おむつなどの日用品を販売する。コリンチアンスファンには最大30%の値引きサービスがあるようだ。サンパウロ市東部、南部、セントロには年内に3店舗開店の予定で、来年6月までにはフランチャイズ店10店舗の設置が計画されている。
さらに注目を集めるのが、今月登場予定のコリンチアンスオリジナルの携帯電話。チームカラーの白と黒の本体にクラブのロゴマークがデザインされた電話は349、399レアルの2モデルが用意され、カメラ、デジタルTV、MP3、MP4を内蔵。チームの写真や応援歌などのデータも納められる。販売網はスポンサーとなるエストラやポント・フリオ、カーザス・バイーアなど100店舗で、1カ月で2万4千台の販売を見込む。
国内最大規模のファンを持つのは1位フラメンゴ、2位コリンチアンス、3位サンパウロFC、4位パルメイラス。4チームのファン総計は人口の45・5%の8740万人。ダッタ・ポプラール調査によれば、彼らの所得の推計は6293億4千万レアルで、C、D、Eクラスの所得が6割を占めている。
一方、8日、ブラジルサッカー連盟、国際サッカー連盟現地委員会、サンパウロ市、サンパウロ州政府の話し合い後、イタケーラに建設中のコリンチアンス球場が2014年サッカーW杯の開会式会場となることが正式に発表された。建設費の資金調達法はまだ議論されているようだが、今回の新事業もその一助になるのだろうか。