ニッケイ新聞 2010年11月9日付け
統一選挙、そして大 統領選の決選投票が終了したが、国外に住むブラジル人にとってはもう一つの選挙がおこなわれている。世界の在外ブラジル人コミュニティーから代表を選び、年一回母国で会議を開き、それぞれが抱える問題の解決を母国政府に訴える「在外ブラジル人代表者会議(CRBE)」の代表員選挙だ。08年に始まり、今回初めて選挙が行われるという。北米・カリブや中南米、欧州など4地区に分かれ、18歳以上で投票地区に3年以上住むブラジル人がインターネットで投票する。投票は日本時間の10日まで行われる。全世界での立候補者数は290人。日本は「アジア・アフリカ・中東・オセアニア地区」(定数4)。日本だけでなんと17人が立候補しており、沖縄タイムスによればうち5人が沖縄県系人だそう。票の奪い合いにならなければいいが。
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県連とブラジル日本語センター合同の弁論大会、スピーチコンテストが初めて実現した。当日の発表で、前大会の出場経験から、非日系で昨年優勝したマルケス・ペドロさんの主張に衝撃を受けたと明かすのは生田康三さん。「日系人にとって当たり前の事も非日系人にとっては当たり前じゃない」と価値観の違いに着眼し、「7年間日本に住んだ僕は日本文化をごく自然に学んで、身に付いていることすら気が付いてなかった」と自己分析していた。僕の日本文化が薄れたら僕自体消えそう―との生田さんの叫びは、来場者の共感を呼んだのでは。
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先週金曜から新聞社のあるリベルダーデ区グロリア街が断続的に停電にみまわれて困っている。以前から年に1~2回、2~3時間の停電はあったが、金曜のそれは正午から午後5時過ぎまで。急きょ近くの日系団体にパソコンを持ち込んで作業をし、なんとか休刊こそまぬがれたものの、トランスフォーリャ配達会社の時間には間に合わず一部の読者の手に届かなかった。大変申し訳ない。月曜(8日)も朝から断続的に数回停電し、こわごわ編集している状況。サンパウロ市のど真ん中でこんな社会基盤しかないなら、「サッカーW杯や五輪などは10年早い」と誘致競争に負けた先進国から言われそう。高い税金や電気代を払っているのだから、さっさと直して欲しいものだ。