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ラーモス平和資料館に草の根支援=平和教育の機材に2万ドル=「ここから世界に訴えたい」

ニッケイ新聞 2010年11月11日付け

 日本国政府はこのほど、サンタカタリーナ州フレイ・ロジェリオ市の「平和資料館整備計画」に対して「草の根文化無償資金協力」を実施することを決め、10月26日、在クリチーバ総領事館で山口登総領事、イヴォネッチ・フェリスビーノ同市市長の出席の下、上映設備購入のための資金贈与契約(約22000ドル)の署名を行った。

 同市は被爆者及び子孫の会(小川和己代表)と協力し、平和推進事業を実施し、同市のラーモス移住地に2001年には平和の鐘公園、今年5月に「平和資料館」を落成した。それ以来、訪問者及び近隣都市の学生らに対し、展示されるパネル等を使い平和教育を行ってきた。
 しかし、映像上映機材を購入する財政的余裕は無く、同機材一式の購入を草の根支援金を通じて援助する運びとなった。
 署名式には、ジャイール・ダ・シルヴァ・リベイロ同副市長、小川代表、同プロジェクトに協力した中村矗元パラナ州環境長官も出席。
 山口総領事はこれまでの同市の活動を称え、「日本は唯一の被爆国として、原爆の悲惨さを世界に伝えることが極めて重要であると考えており、この悲劇が二度と繰り返されない、核兵器のない世界の実現を願っている」とし、同市に対し、今後の平和教育発展に期待を表した。
 フェリスビーノ市長は謝辞として、「平和資料館の落成からこれまでに1千人を越える訪問者が世界各地より訪れている。今回の設備の充実と共に、引き続き戦争のない世界をこの市からブラジルに、更には世界に訴えていきたい」と感謝の言葉を述べた。