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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2010年11月11日付け

 「まさかブラジルで」と思うことが多いこの半 年ほどの記者生活。それは取材先で感じるものだ。
 ブラジルのお盆の日にレジストロの地を訪れ、1つ灯篭を購入してリベイラ川に流してもらった。
 日本のお盆と同様、当日はいたる所に墓地へ向う車の長い列。墓標に手向けられた花束が一面に広がる風景が新鮮だった。
 そんな先祖を思う気持ちについて、灯篭の販売所の前で両親の名字をそれぞれ書きながら、初めて考えた。
 実家に仏壇はあるが、手を合わすのは正月ぐらい。「罰当たり」ながらお盆、お彼岸を意識したことは少なかった。
 コラム子の先祖諸霊には遠く、所縁のない土地であったかもしれないが、今後のきっかけとして、ブラジルで灯した初めての送り火を忘れないでいようと思う。(秀)