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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年11月18日付け

 文協が主催する「国際民族舞踊祭」のパンフレット。ある広告ページを指して、某文協理事が「これは我々への挑戦だ」と顔をしかめたとか。広告主は小川彰夫氏。「副会長時代から協力しているんだけどね」と涼しい顔▼その小川氏がこのたびサンパウロ市議会から表彰され、アンシェッタ章を授与された(本日付け7面詳報)。コロニアで活躍する人の受章はあまり聞かないが、これに相当するのは「名誉市民章」らしい。サンパウロ市出身ではない上原幸啓名誉会長、木多喜八郎現会長が受章している。小川氏は生粋のパウリスターノである▼式典を取材して興味深かったのは、地方の文協や農業関係者が多く出席していたことだ。あいさつに立った山村敏明氏の地元レジストロからは10人が席を埋めた。連休前の金曜日。雨も降るなか、数時間かけての出聖は、余程の関係だろう。西本エリオ州議が感心し、なかば呆れながら話したが、「どこの地方イベントにもアキオはいる」▼500の招待状を全て手渡ししたと聞いて、コラム子も呆れた。と同時にそのマメさと人心掌握術に感心した。コロニアはサンパウロからの客人を喜ぶ。その心情をよく理解していると言っていい。伝統的に文協に欠けている姿勢なのだが▼文協からは山下譲二副会長しか見つけられなかった。元副会長、現評議員の受章としては淋しいものだが、文協内部に根強い小川アレルギーがある一方、地方にしっかりと人脈を作り上げている構図がしっかりと読めた。すでに来年の文協会長選出馬を公言している。2年に1度の〃お祭り〃男、小川氏の活動から目が離せない。(剛)