ニッケイ新聞 2010年11月19日付け
業務改善のために理事すげ替えなども行われたはずの郵政公社で、郵便物が受取人の手許まで配達されないケースが多発し、訴訟問題も起きていると18日付フォーリャ紙が報じた。
入札も実施せずに契約を結んだり、郵便物の遅配や不配が頻発し、時の官房長官エレニセ・ゲーラ氏が業務改善命令を出した事などが記憶に新しい郵政公社だが、配達不履行で訴訟が起きているのは、トカンチンス(TO)やバイア、リオなど、複数の州。
TOでは州都のパウマスでも数年前から郵便物が配達されてない地域がある他、10月の末に、司法当局から、州内17市での配達状況が改善されなければ1日2万レアルの罰金との判決が下ったサンタカタリーナ州のような例もある。
連邦検察庁が扱った例はパウマスだけで9件あるが、問題解決は決して容易ではないようだ。
通信省によれば、配達業務遂行のためには、街路が整備されており街路名の表記も完備、配達先まで道が通じており、治安も確保されているなどの条件があるようだが、これらの条件を満たさない地域宛の郵便物は、地域内の郵便局または指定された応対ポストに留め置かれ、受取人がとりにいく必要がある。
また、公社側は、人件費や設備費などの経費がまかなえない状態では全ての業務を完全遂行するのは不可能とも弁明。
郵便サービスは全国民の権利でもあるが、これらの言い分から行くと、市街化や治安の確保ができてない町や地域の郵便物不配は、公社の責任というより、自治体などの責任という事になる。配達不能地域では、送り手も届いたか否かを別途確認の必要ありなど、住民の不満も募っている。