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役職者の3割はY世代=ブラジルでも必要な意識改革

ニッケイ新聞 2010年11月20日付け

 労働環境問題などを取り扱うグレート・プレース・トゥ・ワーク研究所が、ブラジルの優良企業でも役職者の3割はY世代との調査結果を発表した。
 Y世代と言う言葉が欧米や日本などで使われるようになって久しいが、米国では1975年~1989年生まれ、一般的には1980年以降に生まれた人をさすようだ。
 インターネットやビデオゲームなどに囲まれて育ったY世代は、情報収集力に優れ、いくつかの事を併行して行う事に抵抗がない、自分の知識や技術の向上への興味が金銭欲に勝る、恒常的なフィードバックやすぐに結果が出る事を好むなどの特徴をもつため、雇用する側も、自分の求めるものが得られない場合、会社よりも市場を優先する若者が他の企業に移るなどの行動をとる可能性を認識し、同世代の特徴に沿った職場環境を用意する事が必要となる。
 2009年の実態調査では、国内優良企業役職者の57%は1960~70年代生まれのX世代で、Y世代は31%、50年代生まれのベビーブーマー13%。
 ただ、ブラジルのように社会格差が大きな国では、同じY世代でも違いが生じる部分もあるようで、ABクラスの若者は外国語を学び、国外旅行や留学経験者が多い、その場での謝辞や賞賛を求め、後の報酬で釣るやり方には余り心を動かさない、他人から認められる事に執心するといった特徴があるが、Cクラスでは、外国語習得者や国外生活の経験者は少なく、情報機器の扱いもABクラスほど慣れていないなどの違いがあるようだ。
 専門分野では誰よりも早く向上し昇進もしたいという願望は共通で、読書量が少なく言語運用能力に欠けがある人がいる事など、各人の特徴を見極め、感情面での不安定さなどの弱点をカバーする事でより良い職場環境を作りうるという。