ニッケイ新聞 2010年11月23日付け
週末のサンパウロ市内のショッピングセンターでは、駐車場を利用したくても、空きを見つけるまでに下手をすると約30分かかると20日付エスタード紙が報じた。
エスタード紙が1カ月半かけ、64のショッピングセンター中16カ所を訪問して行った調査によると、駐車場に入っても車を止める場所が見つからず、場内を回ったり停車して待つ時間は思いのほか長く、パチオ・パウリスタでの待ち時間の31分が最高。それ以外のショッピングでも10~25分かかった所が5カ所あり、車での買い物を諦めたり、エレベーター前など、本来の駐車スペース以外の場所に止める買い物客も多いという。
調査を行ったのは10月からだが、駐車スペースの不足に対する利用客からの苦情は調査したすべてのショッピングで出ており、昨年の12%増の売り上げが見込まれるクリスマス時期の状況悪化は避けられない。
利用客の中には、駐車出来ずに時間を食うという経験を繰返したくはなかったが、急な買い物が必要となってやむなく車で来たという人もおり、ショッピングの近くの駐車場を利用する、公共交通手段やタクシー利用などの手段に切り替えたという人も多いようだ。
駐車スペースの不足で車の列が出来るショッピング周辺では、付近に住む人々の車の出入にも影響が出ており、駐車場の拡大や周辺の駐車場と提携して買い物客が利用できるようにするなどの対策を講じるショッピングも出てきている。
自動車業界では新記録となる年間340万台販売を目指してバーゲンも始めたが、渋滞や大気汚染などで生じる損失や健康被害も拡大の一途だ。