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リオ犯罪組織が報復か=週末から強盗、放火が連続=警官総動員で警備の強化へ

ニッケイ新聞 2010年11月24日付け

 リオ市内では、週末の21日から類似した強盗、自動車放火事件が相次いで起こっている。警察側は、同様の手口を用いた一連の犯罪はファヴェーラの犯罪グループによる警察部隊への報復活動と推測。警察では総動員体制で警備を強化、犯罪グループ鎮圧に向け万全の体制を整える。23日付伯字紙が報じた。
 21日夜、幹線道路のリーニャ・ベルメーリャで6人組が運転手2人を襲い乗用車2台に火を放ったほか、空軍使用の車を銃撃。ヅットラ街道でも車2台が盗難に遭い、車の所有者1人が銃で撃たれたほか、ラランジェイライス、ラゴア区でも強盗事件が起きた。翌22日夜は、5人組がトレヴォ・ダス・マルガリーダス区で車2台とワゴン車を放火、そこからほど近い場所の軍警察駐屯所を銃撃した。
 23日未明、コパカバーナ区で車体の下に手製の爆弾を仕掛けたとされる男性1人と未成年者2人が容疑者として捕まったが、その詳細は明かされていない。
 こういった犯罪組織の活動を思わせる不審な動きは9月より続いており、軍警では犯罪組織CV(コマンド・ベルメーリョ)の犯行と推測。ファヴェーラの警備にあたるUPP(平和駐留部隊)への報復や、拘留中のCVリーダーらをパラナ州カタンドゥーヴァスにある連邦刑務所へ移送した事に対する反発の動きと判断している。また、一連の犯行は現在拘留中のCVリーダーらの指揮によるものと考えられている。
 リオ州保安局のジョゼ・マリアーノ・ベルトラメ局長は「犯罪組織がけし掛けてくるなら、我々も2倍にして返す。すでに40人を連邦刑務所へと移送した。今後もその数は増やす」と強調。ファヴェーラでの捜査に力を入れる事を宣言した。連邦政府への援助要請は、否定した。
 リオ州政府は、年末に予定していた特別警備体制の強化を前倒しで実施、軍警では来年までに新たに7千人の警官を雇うことを発表した。今年いっぱいは警官も休日返上、勤務時間延長で治安の強化を図る。22日には新たなパトカー140台が導入されたほか、12月末までにバイク250台も投入される。
 ここ2年間で市内のファヴェーラにある13コミュニティの警備に導入されたUPPは、2014年までに40に拡大される予定だ。