ニッケイ新聞 2010年11月26日付け
「剣道の歴史に焦点を当てたものとしてはポ語初だと思う」。
背筋を伸ばし、自著への思いを流暢な日本語で語るのは、小林ルイスさん(31、三世)。
このたび、『PERGRINOS DO SOL – A ARTE DA ESPADA SAMURAI』(日出ずる国の巡礼者ー侍の刀の世界、47レアル、360頁)を出版する。
21歳で剣道を始めた。訪日した際、居合いや棒術、剣術などの指導を受けたことで剣道の世界の関心を持った。
「自分の勉強のため」に伝書などの古本や関連書籍の購入を始め、「今では部屋一杯ですよ」と笑う。
5年前から執筆を始め、剣道の成り立ちや流派、剣豪の逸話に触れ、伝書の一部を抜粋した。剣道愛好家対象ではなく、一般向けにまとめたという。
「サムライのイメージが独り歩きし、きちんと理解されていない部分がある。入門書といえば大げさだが、多くのブラジル人に読んでもらい剣の世界を知ってほしい」と力を込める。
小林さんは現在、ブラジル国内の剣道の歴史、現状に関する次回作の準備も進めている。パラナの取材を終えたばかりで資料の収集にも余念がない。
「趣味で始めたことが仕事みたいになってきました」と苦笑いしつつ、新たな執筆意欲を燃やしていた。
同書の出版記念会が今月29日午後7時から、Fenac (Av. Paulista, 901)で開かれる。