ニッケイ新聞 2010年12月7日付け
フルミネンセがブラジル選手権大会で26年ぶりの制覇を達成、4万人のファンが詰め掛けたリオのオリンピコ・ジョアン・アヴェランジェ競技場には歓喜の声が響いた。1984年から2度目となるトロフィーを獲得。近年成績が振るわなかったフルミネンセが、ムリシー・ラマ―リョ監督の指揮のもとで大健闘を見せた。6日付伯字紙が報じた。
90年代にはB、Cリーグまで没落していたフルミネンセは、2008年14位、昨年は16位と、近年もAリーグの中で低迷を繰り返していた。5日、午後5時から行われた大会最終節の試合は、後半戦16分にエメルソンのゴールが決まり、フルミネンセは1対0でグアラニに勝利。全38試合は、20勝7敗11分けでトップの座をもぎ取った。
今大会で頭角を現したのは2008年10月よりチームに所属するアルゼンチン人のダリオ・レオナルド・コンカ選手(27)。ムリシー監督の信頼を背に全試合に出場した唯一の選手で、大会最優秀選手に選ばれた。ワシントン選手と息の合ったプレーも見られ、9得点を入れた。
アルゼンチン国内ではあまり注目されていなかったことから、同国メディアからは驚きの声が挙がる。コンカ選手はトロフィーを手に、「優勝はファンからマネージャーまで、応援してくれた全ての人に値するもの」と喜びを共有した。
また、同大会優勝にチームを導いた監督として多大な評価を集めるのがムリシー氏。2006年から3年連続でサンパウロFCを優勝に導き、今回のフルミネンセの快挙で5年間に4度の優勝を経験したことになる。
記者会見で、同氏は最終戦前夜に故テレ・サンターナ監督を夢に見たと恩師への称賛を交えながら、「選手は監督に信頼を置かなければならない。後は選手の力量にかかっていた」とコメント。「今大会制覇は今までの中で最も難しいものだった」と振り返っているが、フルミネンセの指導に専念するため、今年7月にブラジル代表選手監督を断っていた経緯もあり、今回の結果にほっと一安心したようだ。
最後まで優勝争いをあきらめなかったクルゼイロは20勝9敗9分けで2位。今年100周年を迎え盛り上がりを見せていたコリンチアンスは最終戦の引き分けで、19勝8敗11分けの3位に止まり、ファンも落胆の色を隠せなかった。