ニッケイ新聞 2010年12月7日付け
菅内閣の支持率は23%とかで危なっかしいし、影の男・小沢一郎氏も子飼いの新人らを前に「いつ解散があってもおかしくない」と堂々と発言し話題になったりもするが、あの民主党にも外交・安保調査会という素敵な?委員会がある。去る11月に「自衛隊は旧軍隊用語を復活してほしい」と提言したのである。遯生は戦前の生まれながら軍隊のことはまったくしらない。が、一等兵や軍曹、大尉と少佐はよく知っている▼ところが、今の自衛隊では陸尉とか陸佐だし、陸上自衛隊の「普通科」も、よく解らない。それを―旧用語にして「歩兵」にし、陸尉は少尉、中尉や大尉にするの提言であり、これだと戦前派にもよくわかる。従って、陸将や海将・空将も中将や大将になるわけだし、これはこれで大いに結構な話ではないか。勿論、運用は「作戦」だし統合幕僚監部は「統合参謀本部」になり、解りやすい▼ところが―である。次の委員会では「時宜に適わない」という異論が飛び出し、この名提言もすっぽり削除とあいなったのは、残念至極である。まあ―これが民主党の限界と諦めるより致し方ないけれども、もう旧陸軍や海軍の批判や非難ばかりなのは如何なものか。それに自衛隊を評価する声も高まっているし、仙谷官房長官の「自衛隊は暴力施設」などは斬り捨てるのが筋である▼防衛省も「国防省」がいいだろうし、自衛隊と勲章の問題もある。これまで自衛隊員には、キャリアでも勲一等はいない。事務次官や陸海空の幕僚長でもなのである。これも考え方を改める必要があるのは言うを待たない。(遯)