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INBのブラジル紅白=「選り抜きの歌手」勢ぞろい=12日

ニッケイ新聞 2010年12月8日付け

 ブラジル鳥取県人会が母県と協力して実施する中堅リーダー交流事業で来伯した同県研修員の西川孝一さん(53)、小林洋介さん(33)が先月25日、本橋幹久県人会長らと本紙を訪れた。
 ブラジル、母県の研修員が1年おきにそれぞれの国を訪問し、視察、交流する同事業。ブラジルからは県人会の運営を担う人たちが訪日、県側は公募によって選考、派遣しており、今年で8年目になる。
 2人は19日に着聖。28日までの滞在中、会員宅にホームステイしながら、各地の視察や、県人会で開かれた「鳥取ファミリー親睦会」など各種の交流行事に参加した。
 20日は県人会館で、子供たちに郷土芸能の銭太鼓を指導した。銭太鼓は竹筒に銭を入れて音を出す楽器。会では傘踊りに続く芸能として普及を考えている。事前に指導を受けてきたという2人は、「基本的な動作や、日本の指導者に教わった『客を楽しませる』という心構えを教えた。良い雰囲気でした」と振り返る。
 県が開設に関わり、今も日本語教師を派遣しているミランドポリス第二アリアンサ移住地(鳥取村)も訪れ、農場や日語校、現地ブラジル校などを見学した。
 小林さんは同県米子市のケーブルテレビ「中海テレビ放送」の記者。昨年同局で学んだブラジル研修生と知り合ったことで今回応募したそうだ。
 「日系人が日本のことを強く思っていることが実感できたのが収穫でした」と話す小林さん。今回は持参のビデオカメラでサンパウロやアリアンサを取材、帰国後の放映も考えているという。「鳥取村のことを県民に知ってもらう機会になれば」と意気込む。
 「移民百周年のことや、教師派遣など県の活動が鳥取では知られていない」と、倉吉市で経営コンサルタントを営む西川さん。「6人が2日間同行してくれた」とアリアンサでの歓迎を喜びながら、「県系の家族は3家族だけど、県とのつながりを皆大事にしている。そういう気持ちを持っている人がいることを知ってほしい」と話した。
 鳥取県人会は再来年で創立60周年。本橋会長によれば、10月の訪日で鳥取市長を訪問した際、サッカーを通じた交流事業の話も出たという。「60周年をきっかけに、若者交流を始めることができれば」と期待を表した。