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文協=国士舘をエコロジーパークに?=文化施設、ホテル、日本村…=企業・団体へ無料貸与=11日の評議員会で討議

ニッケイ新聞 2010年12月9日付け

 ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)が所有する国士舘スポーツセンター(サンロッケ市)を『エコロジーパーク』(仮称)として活用する案がまとめられ、今月11日の定期評議員会で討議される。原始林(20ヘクタール)を除く38ヘクタールを7つに分割し、企業や団体に25年契約で無償貸与し、維持費を負担してもらうというもの。毎年7万レアル以上の赤字を生み続ける〃お荷物〃解消の妙案となるのだろうか。

 国士舘スポーツセンターは、1997年に国士舘大学から文協に贈与された。約58ヘクタールの敷地面積があり、駐車場、体育館があり、さくら祭り(7月)、マレットゴルフ大会などが開催される。
 年間平均20万レアルの支出があるが、収入はさくら祭り(7万レ)とイベント会場としての賃貸料(5万レ)ほどで、毎年7~8万レの赤字を計上している。
 07年には、地元コチア青年らが自主運営を主張し、使用権の委託を巡り、評議員会で論争になった経緯がある。
 これを受け、今年4月の評議員会では、有効利用合同検討委員会が今回の「エコロジーパーク案」を発表していた。
 計画によれば、団体・企業からの計画書を検討したうえで、ロッテ割りされた土地の25年間の使用許可を与えるというもの。賃貸ではないが、維持費は自己負担でその割合は検討中。建築物などを設置してもいいが、5年以内に計画が実行されていなければ、契約は破棄される。
 文協による打診に、某日系大手企業が環境対策事業として原始林の一部を借り上げることに関心を示しているという。
 文協が借り上げ主に〃計画案〃として提案するものに「史料館、図書館、映画館、劇場、レストラン、茶室からなる文化センター」「プラネタリウム、天文観測所、宇宙博物館施設も持つリゾートホテル」「日本の典型的な村建設」などがある。
 文協自身は、イベント会場として賃貸できるよう施設の充実を目指し、展示場、多目的講堂、常設ステージ、食堂スペースを含む「コンベンションセンター」の建設を検討する考えだという。
 この計画が企業・団体の関心を呼ぶかどうか理事会が精査した上で承認したのかは定かではないが、コンベンションセンター建設費の捻出などを含め、11日にある評議員会で大いに議論されるべきものだろう。