ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

GDP=第3四半期は成長減速=工業の低下で前期比0・5%=年間7・5~8%の伸び見込む

ニッケイ新聞 2010年12月11日付け

 ブラジル地理統計院(IBGE)が9日、第3四半期(7―9月)の国内総生産(GDP)は9372億レアル1600万レアル、前期比の成長率は第2四半期の記録より1・3%低い0・5%となったと発表した。前年同期比は第1、2四半期の9・3%、9・2%から6・7%に下がり、年間成長率は7・5~8%と予想される。10日付伯字紙が報じた。
 GDPの内訳は8003億6700万レアルが付加価値、1368億4900万レアルが製品に対する税金。前期比ではサービス業が1・0%、投資を示す総固定資本形成(GFCF)が経済危機以前の水準である3・9%に拡大したほか、昨年第3四半期から後退を続けてきた家計消費が1・6%の成長に転じた。投資の拡大は機械設備の輸入が後押ししたものと見られ、第3四半期のGDPの19・4%を占めた。政府消費はゼロ成長だった。
 その一方、マイナス成長となった農業と工業の1・5%、1・3%の落ち込みが全体の減速へと影響。特に、工業は、前期比7・4%の成長となった輸入増加により、競争力が低下している。第3四半期の輸入拡大は年率換算では33%と、9月までの12カ月間での29・4%増を大きく上回るもので、前年同期比では1996年以降最高の40・6%の拡大を記録した。消費の伸びがそれまでの在庫で吸収された事も、工業生産の低下につながったと考えられている。
 9月までの1年間のGDP成長率は7・5%。第3四半期に減速を見せたが、IBGEでは年間では前年比7・5~8%の成長と予測しており、1985年の7・85%を抜き、25年ぶりの記録更新になる可能性も高い。専門家からは、2011年は、金利の上昇や政府消費の縮小から、GDPが高成長した今年度比4~5%の通常の成長率に戻るという予想も挙がっている。
 各国の第3四半期の前期比成長率では、2%とダントツの中国に続き、日本の0・9%が2位、イギリスの0・8%が3位。ブラジルはメキシコ、ドイツ、韓国、アメリカなどの後、ベルギーと並ぶ8位についた。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button