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ジャンジーラで市長殺害=ラジオ生放送に銃声流れる

ニッケイ新聞 2010年12月11日付け

 大サンパウロ市圏ジャンジーラ市で10日朝、8時からの放送に定期出演するためにラジオ局に到着したブラス・パスコアリン市長(62)が、2人組の賊に襲われ、殺害されるという事件が発生した。
 事件発生時に流していた番組には、およそ15発の銃声が流れ、市長は即死、運転手は重傷という事件は10日付各種サイトが一斉に報道。毎週金曜日は8時からのラジオ番組で視聴者からの質問に答えるのが日課だった事を知る犯人が、意図的に襲ったものと見られている。
 市長襲撃の現場を目撃した17歳青年の供述によれば、車で乗りつけた犯人らは、車から降りようとしていた市長を取り囲むようにして射撃。使われた凶器は拳銃と小銃または機関銃の2種で、当初は運転手も死亡と報道されたが、その後の報道によると、クリニカ病院に搬送されて手術を受けたが重体だという。
 現場に急行した警察は、目撃証言などをもとにヘリコプターも動員して犯人を追跡。当日の内に、現場から約2キロ離れたイタペヴィ市で、黒い乗用車の周りにガソリンを撒き爆発させようとしていたと見られる容疑者2人を拘束した。
 銃痕のある乗用車のまわりには、9ミリ口径の銃の薬きょう数個が落ちており、警察では、車の中から回収された毛髪などを鑑定し、容疑者らが使用していた車か否かを確認する予定だ。
 殺害された市長は民主社会党(PSDB)所属で、2008年の選挙で3度目の当選を果たしたベテラン。おいのクレーベル・ロペス・ダ・シウヴァ氏は、市長が脅迫されたりしていた形跡はなかったというが、同市では今年、別の政治家殺害事件も起きており、警察が関連も含め捜査中だ。