ニッケイ新聞 2010年12月14日付け
13カ月給を受け取った消費者が、クリスマスプレゼントなどの調達に動き始めた。給与上昇、雇用増加からか、今年の購買力は例年以上に高く、MBコンサルティング社の調査では、クリスマス商戦での売り上げは過去10年で最高の962億レアルと予想。各小売店では電子機器、情報機器などの商品を取り揃えている。12日付エスタード紙が報じた。
今年の売り上げは昨年12月との比較で33億レアル、3・5%の伸びが見込まれている。頭金無しの長期ローンの利息上昇に伴い、新車購入をあきらめた消費者は、同じくクレジットを利用する薄型テレビやノートパソコン購入に走るとの見方が一般的。インフレ抑制のために導入された預金準備率引き上げに伴う金利高で、当初980億レアルと予想されていた売り上げは20億レアル近く下方修正されたが、それでも962億レアルの予想となっている。
小売業界1千人の経営者を対象に行われた調査では大規模店の87%、中規模店77%、小規模店67%が前年を上回る販売を想定。マガジン・ルイーザでは昨年比25~30%の売り上げ増、センピ東芝は自動車購入がLCDテレビ、ノートパソコンの購入に移行すると期待を示した。
今年のインフレ傾向からは、電子機器などの購入は割安に済むが、クリスマスの食事に用意する肉類の購入費が高く付きそうだ。ショッピング・ブラジルやジェットゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)が昨年12月と今年の価格を比較した結果、電子機器ではデジタルカメラ、ネットパソコン、32インチ型LCDテレビが、今年12月に33%、31%、25%の値下がり。ノートパソコン、ビデオデームも20%、12%値下げして提供されている。
その反対に、食料品の物価上昇で値上げが目立つのが肉類で、豚のロンビーニョ、腿肉、鶏肉が今年11月には10・99%、9・71%、10・21%の上昇。同じく、クリスマスの食卓には欠かせないフルーツやワインの値段も10・9%、6・39%の上昇となった。
一方、消費の波に懸念が広がるのはクレジットの多用で引き起こされる債務不履行。銀行業務中央サービス会社(Serasa)の発表によれば、11月の債務不履行は前月比3・5%上昇。昨年11月と比べると23・2%上がっており、11月としては前年同月比で2001年以降最大の増加率となっていた。収入増加や職業安定の風潮が後押ししてか、今年のクリスマスは現金購入も増え始めたようだ。