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ワセリン注入の責任何処=病院側では薬品管理急ぐ

ニッケイ新聞 2010年12月14日付け

 【既報関連】今月4日、腹痛などを訴えサンパウロ市内の病院で診療を受けた12歳の少女が誤ってワセリンの点滴を受けて死亡した事件で、薬品を取り違えたとされる看護助手のアラガキ・カチアさん(26)が過失致死で起訴された。伯メディアで連日のように取り上げられている。
 少女は3本目の点滴で、約50ミリリットルのワセリンを摂取して死亡した。薬品を入れ間違えたアラガキさんは薬品の表示を確認しなかった事を認めているが、その日、点滴用の棚に誤ってワセリンが整理されていた点、処方すべき薬品がワセリンの瓶と全く同じものであった点がミスを引き起こすもとになったと指摘される。
 アラガキさんは、11日、テレビ番組「ファンタスチコ」のインタビューで「その時、なぜ表示に目が止まらなかったのか自分でも分からない。全てのミスが重なって、少女の死を招いてしまった」と涙ながらに語っている。
 事故のあったサンルイス・ゴンザガ病院を経営するサンタ・カーザ病院は、姉妹関係にある39病院に同様の瓶、表示でワセリンや点滴用の薬品を供給していた。表示の色分けなど薬品管理を見直すとしており、責任の所在が追求されている。

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