ニッケイ新聞 2010年12月18日付け
2011年1月1日の就任式を前に、選挙高等裁判所では17日午後5時からジウマ・ロウセフ次期大統領とミシェル・テメル次期副大統領の認証式が行われた。正副大統領以外の知事や州議、連邦議員らは、各々、選出された地域の選挙裁判所から認証を受け、来年1月または2月の就任式に備えることとなる。
10月投票の統一選で当選した大統領や知事らの認証は、当選の事実を認め、来年からその職に就く事を確証するもの。リオ州は16日に行われたが、サンパウロ州やアマゾニア州などは17日実施で、各種サイトが各地の認証式の様子を伝えている。
正副大統領の認証は期日最終日の17日に選挙高裁で行われるが、本会議場は78席しかないため22席を持ち込み、100人が本会議場で、他の招待者150人は講堂で式典参加。式の最後に挨拶するジウマ次期大統領は、米国のリンカーン大統領の就任挨拶を参考に文面を用意したという。認証式には欠席するルーラ大統領も、イタマラチ宮殿で行われるレセプション(招待客数400人)には出席する。
他方、選挙地裁の管轄で行われる知事や州議、上議、下議の認証式は州議会などを会場に実施。
リオ市市立劇場で16日に行われた式典では、セルジオ・カブラウ知事始め、上議2人、下議45人、州議70人が認証を受けたが、知事は認証後すぐ退座。緊迫した場面が予想された下議選出のアントニイ・ガロチーニョ前知事との対面は、5分の差で回避された。
一方、17日午前、サンパウロ州議会で行われた認証式で、ジェラウド・アウキミン知事らベテラン政治家以上の拍手を浴びたのは、文盲疑惑などで注目されたチリリッカ。下議として全国最多の130万票を集めた同氏は、夫人同伴で現れ、最初に認証を受けた。現在、ブラジル憲法などを勉強中という同氏は、定住地を持たないサーカス関係者やジプシーの教育問題や文化普及を重点として活動する意向で、今回の認証は今後も続く認証式の最初との認識も明らかにした。
また、マルタ・スプリシー元サンパウロ市長は初の女性上院副議長を目指すと発言。12年のサンパウロ市長戦に関する問いには「今はサンパウロ州選出上議として任務を全うする事だけを考えている」と答えている。
サンパウロ州選出下議として3番目の得票を得ながら、サンパウロ市長時代の不正を問われ出馬権自体が宙に浮いていたパウロ・マルフ下議は、土壇場になって当選が決まったが、認証の瞬間、拍手と共に揶揄する声もあがったという。