ニッケイ新聞 2010年12月22日付け
国民の人気投票によって選ばれた今年一番輝いていたオリンピック種目のスポーツ選手は、女子が棒高跳びのファビアーナ・ムーレル選手(29)、男子がバレーボールのムリロ・エンドレス選手(29)。20日、リオ市内の現代美術館(MAM)で行われた授賞式で、ブラジル・オリンピック委員会(COB)から2人にブラジル・オリンピック大賞が贈られた。21日付エスタード紙が報じた。
ファビアーナ選手は、今年の世界室内陸上選手権大会で世界記録保持者のロシアのエレーナ・イシンバエワ選手を破り、金メダルを獲得。英国のバーミンガムで行われた室内陸上大会でも、4メートル82センチの南米記録を残した。
バレーボールのブラジル代表として今年3度目の世界選手権大会優勝を果たし、今年の世界大会二つでも最優秀選手に選ばれたムリロ選手は、ブロック力もあるオールマイティー型選手だ。ファビアーナ、ムリロ両選手は、EPOCA誌が選んだ今年最も影響力のあった100人のブラジル人にも挙がっている。
女子は他に、水泳のアナ・マルセラ・クーニャ選手やビーチ・バレー女子ダブルスのラリッサ、ジュリアーナ選手への票が多かった。男子では、水泳のセザール・シエロ選手と柔道のレアンドロ・ギリェイロ選手が人気を集めていたようだ。
COBは他の47部門のスポーツ選手たちも表彰したほか、ファビアーナ選手の指導に努めるエウソン・ミランダ監督、男子バレーボールのブラジル代表を率いて9年目となるベルナルジーニョ監督に最優秀監督賞を贈った。OB部門で表彰されたのは、50年前に米国ロサンゼルスの世界大会で優勝した元ボクシング選手のエデル・ジョフレさん(74)で、感極まった様子で喜びのスピーチを行った。
授賞式に出席し、「ブラジルの歴史で最もスポーツに力を注いだ大統領」としてCOBや選手らから熱い称賛を浴びたのは、ルーラ大統領。壇上にのぼったルーラ大統領は、「スポーツの活性化を国の発展へとつなげたい。スポーツへの取り組みは決して無駄ではない、立派な投資」と強調している。