ニッケイ新聞 2010年12月23日付け
ジウマ・ロウセフ次期大統領が、21、22の両日、残っていた7閣僚の名を公表した。連立与党との調整などに手間取っていた組閣作業も終え、1月1日の就任式を待つばかりとなった次期大統領は、南大河州ポルト・アレグレでクリスマス(ナタール)を過ごす予定だという。
21日午後に5人の閣僚名が公表された事は22日付伯字紙も報じたが、残り2閣僚は22日午前中に公表された。
大統領府渉外局長官にルイス・セルジオ・ノブレガ下議、国家保安局長官にジョゼ・エリート・カルヴァーリョ・シケイラ陸軍大将、国家統合相にペルナンブコ州のフェルナンド・ベゼーラ・コエリョ経済開発局長、港湾局長官にセアラ州ソブラウ市のレオニダス・クリスチーノ市長が選出された事と、国庫庁のジョルジ・アジェ長官の留任は21日に公表。
農業開発相にバイア州から下議選出のアフォンソ・バンデイラ・フロレンセ氏、国家女性政策局長官にイリニイ・ロペス下議が選ばれた事は22日に公表された。
港湾局長官に選ばれたクリスチーノ氏が市長を務めるソブラウ市は、シロ・ゴメス氏らの祖父に当たるジョゼ・フェレイラ・ゴメス氏が共和制宣言後に初代市長を務めた町。息子のジョゼ・エウクリデス・ゴメス氏とシジ・ゴメス現セアラ州知事も市長を務めたゴメス一家所縁の地だ。道路設計が専門の技師であるクリスチアーノ氏を同職に推薦したのもゴメス兄弟で、政治家としての同氏の歩みには常に同家の支援があったという。
ただ、ジウマ次期大統領が抱いていた、14年のサッカーW杯や16年のリオ五輪を前にしての航空業務拡大や整備も含め、空港と港を抱き合わせた新省設置の構想は、空港業務の混乱が拡大しているために挫折。
これは、21日に労働検察庁関係者も交えて行われた航空関係の労使交渉は、合意を得ずに訣別した事を受けた決断で、23日予定のストが決行されるか否かは22日の動き次第という不安定な状況が、空港管理は現行通り国防省の管轄下に置くという選択を促した。
次期大統領が、国防相抜きの個別会談を行ったという陸、海、空3軍の長は、全員留任の報道は22日付フォーリャ紙。麻薬密売組織が統括していたリオ市のファヴェーラ制圧後の軍駐留など、治安の確保と維持に向けた軍参加のあり方を確立させる必要もあるこの時期、サッカーW杯やリオ五輪を前にした国防相の責任は一段と重い。