ニッケイ新聞 2010年12月24日付け
在任中の09年に逝去したサンパウロ人文科学研究所の田中洋典氏(享年76)の執筆による『戦前移民 航海物語り』(112頁、300部)が、このたび人文研により刊行された。
08年12月から20回にわたり、経済報知紙(田村吾郎代表)に連載されていたもので、最終回が遺稿となる。
今まであまり明らかにされることのなかった移住船の生活の様子や、病気に感染した移民が収容されたイーリャ・グランデの伝染病隔離所、移住の悲劇などが描かれている。
来年1月にブラジル日本移民史料館が実施を予定している「戦前移民船写真展」で配布される。
鈴木正威所長は、「読み物として面白い。移住体験のない二世でありながら、よく調べてユニークな内容となっている」と話している。
詳しくは人文研(11・3277・8618)まで。