ニッケイ新聞 2010年12月28日付け
サルネイ政権下で財務大臣を務めたジェットゥリオ・ヴァルガス財団のルイス・カルロス・ブレッセル・ペレイラ教授が今後のブラジル経済の動向について、24日付エスタード紙のインタビューに応えている。
今後2年以内には、国際収支バランスの崩れに伴う経済危機を経験すると予想する。「現在の経済成長のペースは持続的なものではない。いずれ外国から流れ込む資金を管理しきれなくなり、危機に陥る可能性がある」と懸念し、大きな為替変動を中立化できる方策を打ち出す必要があるとの難題を指摘する。
また、同氏によれば、コモディティ輸出に依存してレアル高を招き、そのけっかとして国際的な工業競争力が低下したブラジルの現状はオランダの経済状況に近いという。かつては国民総生産(PIB)の23%を占めた工業部門の割合が現在は16%。非難を覚悟して、農業産品など一次産品輸出への関税引上げを行うほか、為替調整にもつながるインフレ抑制などの政策も必要だという。
来年に向けて政策金利を上げることを提案し、米国に対抗できるような独自のマクロ経済学的な金融政策を確立する必要性を確信するほか、ギド・マンテガ財務大臣とBNDESのルシアーノ・コウチーニョ総裁の続投には支持を示した。