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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年12月28日付け

 今年の暦もあと少し。今年も寝正月だったし、文協の新年会も3年ほど前かに顔を出したが、懐かしき人々はまったく少なく、あの古びたビルの周辺に屯するような面々ばかりが目立ち、失望の念が強く―これはもうと欠席を決めた。あの四方拝には及ばなくとも、ポロシャツなどのカジュアルで新年会でもあるまいに―と、文協執行陣の見識を疑うや大であった▼と、寂しい限りながら、平成22年の寅年は、いとも賑々しく悲喜こもごもの365日であった。この国ではルーラ政権が2期8年を80%の支持率で飾ったのは驚異だし、腹心のジルマ前官房長官が大統領に当選したのは、ご高承の通りである。勿論、北朝鮮による韓国の延坪島砲撃の物騒な事件があり、朝鮮半島は緊迫し友好とは遠い。北の核兵器の話もあるし、イランの核もある▼不幸では、中東和平の直接交渉が途絶えたのは惜しい。アメリカはイスラエルとパレスチナを仲直りさせようと一所懸命だけれども、ユダヤ追放の歴史は2000年にも及ぶのだから、事は簡単ではない。双方に譲り合う心がなければ、平和の訪れは夢―ではあるまいか。犠牲者25万人のハイチ地震の悲劇も大きいし、ソマリア沖海賊にも困リ果てている▼アメリカは、中間選挙で共和党が完敗。オバマ大統領は、ブッシュ減税の延長を心ならずも認める転換を迫られるなど政権の運営に苦心惨憺している。わが、菅内閣は不人気だし、引退声明の鳩山前首相はあっさりと撤回を決めて何が何やらの謎々である。小沢氏の国会招致や普天間も解決の兆しはなく、ただただ―闇夜だけが続く。(遯)