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■新年メッセージ=駐ブラジル特命全権大使 三輪 昭

特集 2010年新年号

ニッケイ新聞 2011年1月1日付け

 明けましておめでとうございます。謹んで新年のお喜びを申し上げます。
 昨年10月下旬に特命全権大使として当地に着任し、早3ヵ月が経ちました。今回で3度目のブラジル勤務となりますが、2008年の日伯移民100周年の際には中南米局長として皇太子殿下のご訪問の準備にあたるなど、東京においても様々な面でブラジルに関わる仕事をして参りました。私の外交官人生に深い関わりを持つ国に大使として着任できたことを心より喜んでおります。
 ブラジルはこの10年、安定的な政治、経済、社会的発展を背景に、経済資源大国としてだけではなく、国際社会の責任ある主要プレイヤーとして積極的に活躍する国家に成長を遂げました。
 このようにブラジルが国際的にも注目を集める中で、日本のブラジルに対する認識も一変してきています。
 日本の民主党政権は、国内経済の浮揚のため外交面においても、経済外交を重点的に進めていくという姿勢を打ち出しており、それに伴い新興経済国、とりわけブラジルに対する大きな期待を有しております。
 また、日本の経済界においてもブラジルに対する関心が再び高まり、多くの経済リーダーが最近ブラジルを訪問するようになっています。他方高度成長を中長期に維持したいブラジル側も日本よりの経済協力に強い期待を有していることを着任以来感じております。
 日伯双方向の強い期待がある中で、出来るだけ多くの具体的成果が得られるよう、私としても尽力したいと思っております。
 またブラジルの国際場裡における地位の向上に伴い、日本としてブラジルが国際社会におけるよきパートナーであることに期待を寄せており、ブラジルのその地位に応じた国際貢献の努力に対し側面支援をしたいと考えております。
 ブラジルが日本にとり特別な国であるのは、ブラジルが日本をよく理解し、信頼感を抱いている国だからです。これは、今日に至るまで日系人の皆様がブラジル社会の中で醸成されてきた信頼感に大きく依っていることは言うまでもありません。
 日系社会の皆様のこれまでのご努力に改めて敬意を払うとともに、今後も日系社会の皆様が日本とブラジルを繋ぐ絆としてご活躍されることを望みます。
 最後に、皆様の益々のご健勝、そしてより一層の繁栄を祈念致しまして私の新年の挨拶とさせて頂きます。