特集 2010年新年号
ニッケイ新聞 2011年1月1日付け
「なんで日本語の授業を入れているか。私がツッパンで幼少期を過ごし、日系人に囲まれて育ったことも影響している。おにぎり、刺身、モチとか美味しいものを一緒にいっぱい食べた」と移民大国ならではの体験を披露する。
1995年にサンパウロ市に創立した時、「苗字から生徒の13・5%が日系人だと気付いた。つまり、この付近には日系人がたくさん住んでいる。この数字だけで日本語講座開設を思い立つには十分だった」。さっそく教師を探した。
トレメンベー校(全920人)ではヒデシマ・ヤスコ先生が147人に教えている。小学51人、中学52人、高校34人。その中でも日系人は10%しかいないという。非日系の漫画が好きな生徒が多い。中にはデカセギ帰伯子弟も混じっている。イミリン校(400人)の日本語学習者は78人となっている。
オリベイラ校長は、「日系人は学費の滞納が大変少なく、実にありがたい存在だ。これは日系人のバロール(価値)の一つであり、賞賛すべき特性だ」と高く評価する。加えて、「日系生徒の振る舞いは、学校全体に良い影響を与える。つまり、ブラジル国民の形成に対して、どれほど貢献しているか分らない」とまで言った。
だから、小さい時から日系生徒と一緒にいることで、日本文化はもとより、道徳、倫理、人間関係などいろいろな面でメリットがあるという。なお、同校には日本語だけでなく柔道の授業も行なわれている。