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学校が無くなれば文協も=インダイアツーバ日本語学校運営協議会会長=安部 誠

特集 2010年新年号

ニッケイ新聞 2011年1月1日付け

 「日本語学校がなくなったら、文協自体がすぐになくなってしまう」。安部さんは、そう強い危機感を最初に表明した。文協がなくなるだけでなく、「日本語学校がなくなったら、日系人が日本文化を維持することも難しくなる」とたたみかける。
 「私は3歳で日本からきて耕地に入った。親のおかげで家の中では日本語を使っていたから、ありがたいことに会話には不自由がない。でも講演は、一度もちゃんと勉強したことのない日本語では恥ずかしいので、ポルトガル語でやらせてもらう」といいつつも、日本文化を日系人が継承することに関しては強い決意と熱意を持って取り組んでいることが、言葉の端々からほとばしる。
 「我々、日本人はチミド(控え目)だ。今の若者は、大学の授業でもどんどん発言をしたり、グループを代表した役割を率先してやるようになったが、私の時代にはできなかった」と苦い青春時代をふり返り、若い日系世代への期待をこめる。
 「私は日本人だが日本語は上手ではない。でも日本人だからこそ、ブラジルの文化に貢献できる部分があることを確信する。すべてのエスニック(少数民族)はブラジルの一部、仲間であり、それゆえに豊かな文化をこの国は持ちえているのだ」と日本語学校の意義を論じた。
 若い日系人が日本語で学んだ日本文化や日本的な考え方を、自分のものとして一般社会の様々な場で主張することで、自然に当国の発展に寄与すると考えている。
 運営協議会には父兄会から2人、文協理事会から2人、審議委員2人が参加して運営方針を決めていくという。教師は4人おり、みなレジストロしている。この学校を支えるために、文協が中心になって資金集めイベントをやっているという。