特集 2010年新年号
ニッケイ新聞 2011年1月1日付け
新年あけましておめでとうございます。昨年は、新会頭として「開かれた会議所、チャレンジする会議所、全員参加の会議所」の基本方針と、「日伯間の経済・貿易・商工業の促進等」の当会議所の定款の目的に沿い、日伯経済関係の強化を図ることを就任の抱負として掲げました。
この抱負の実現に向け、昨年は、5月に日本で開催された第13回日伯経済合同委員会や、4月にブラジリアで、11月には東京で夫々開催された第3、4回日伯貿易投資促進合同委員会に積極的に参加、貿易・投資を促進するためのビジネス環境の整備や両国間のビジネス機会や協力分野についての建設的な意見交換を行いました。
常任理事や会員企業の皆様の協力の元、いずれの会合においても進展が見られ、今後もビジネス環境整備が着実に進み、両国間の協力の可能性が以前にも増して高まるものと確信しております。
さて、ブラジル経済は2010年、7%を超える成長を記録、失業も6%強まで下降するなど、好景気を享受しておりますが、物価上昇率が年率5%台後半で推移、財政収支、経常収支も悪化することなど、問題が次第に顕在化してきております。
こうした情勢を受け、ジルマ新大統領は、インフレターゲット、為替変動相場制、財政規律というルーラ政権の基本的な経済政策を維持する一方、金融危機以降の拡大政策を修正、財政規律を強化するとしています。
ただ、新大統領はルーラが推進した経済成長加速プログラム(PAC)の継続・強化も目指しております。
我々としては、財政規律と社会資本投資をどう両立させていくのか注目されるところで、ブラジルの長年の課題といわれている税制改革や社会保障制度改革等に真剣に取り組むことを期待したいと思います。
2014年のサッカーワールドカップ開催、16年のリオデジャネイロ市夏季オリンピック開催などの祭典が予定される一方、昨年は石油公社ペトロブラスが史上最大の増資オペレーションに成功するなど、世界経済におけるブラジルのステータスは年々向上しており、日本のブラジルに対する関心も高まる一方で、官民のキーパーソンによるブラジル訪問が非常に増えているということを実感する毎日です。
商工会議所としては、こうした流れを支援し、両国の経済関係の発展を促進するため、訪問する官民のキーパーソンに適切なブラジル情報を発信すると共に、今年も開催が予定されている日伯経済合同委員会や、日伯貿易投資促進合同委員会などへの積極的な貢献を続けて参る所存です。
旧年にも増して皆様のご支援、ご鞭撻をお願いいたしまして、新年の挨拶とさせて頂きます。