ニッケイ新聞 2011年1月6日付け
今年もすでに各地で集中豪雨の被害が続出。5日付伯字紙では、4日、リオ市ペトローポリスの土砂崩れで3人が死亡、サンパウロ州マウアー市でも土砂崩れで2人死亡と報道された。昨年の年始早々にリオのニテロイ、アングラ・ドス・レイス市で起こった大惨事の恐怖が蘇える。
リオで被害にあったのは、ファヴェーラ・マタ・カヴァーロⅡに住んでいたセルマ・ボテーリョさん(47)の娘(16)と2人の孫娘(8)。2日間降り続けていた雨により、家族が寝静まっていた午前0時30分頃、土砂崩れが発生した。事故後の避難勧告で同地域の4家屋から15人が退去した。
同日間にリオ市内で18人、隣町テレゾーポリス市では139人が避難。リオ州全体でこの雨の季節に避難を強いられた人は12月30日までに7108人に上り、そのうち4333人が行き場を失っている状態。4日、セルジオ・カブラウ州知事は危険勧告が出た地域への支援物資の供給を決定、ペトローポリスだけでマットレス100床、ベッドカバー100枚などが送られた。
一方、サンパウロ州のマウアー市では、4日午後8時にジャルジン・ザイーラ区で土砂崩れが発生し、男性1人と女児1人が死亡、2人が負傷、1人が行方不明となっている。
また、同日はアチバイア川の氾濫でアチバイア、ナザレー・パウリスタ、ボン・ジェズース・ドス・ペルドエス市で洪水が発生。30分足らずで1・2メートル増水して街中が水に浸かったアチバイア市では、カエテトゥーバ区など11地区450家族が州防衛局の支援により避難した。
同市在住のロザーナ・ドス・サントスさん(32)は、3歳の息子とプードルを連れて母親の家に避難。「去年の水害時には27日間家に戻れなかった」といい、今年も帰宅まで1カ月かかるとみている。
2日に集中豪雨が襲ったサンパウロ州サントス市では、洪水によりアンシエッタ・イミグランテス街道への交通が規制されたことで、年末年始の旅行客が足止めされたようだ。
このような南東部、中央西部に集中した豪雨は南部から来る寒気団とアマゾンから来る暖気団が合流して発生する。今月20日頃まで続く見通しで、十分な注意が呼びかけられている。