ニッケイ新聞 2011年1月7日付け
ACAL(=リベルダーデ文化福祉協会、池崎博文会長)は大晦日の午前、リベルダーデ広場で40回目を迎えた餅つき祭りを開催した。カサビサンパウロ市長、大部一秋総領事夫妻、各日系団体代表らが広場中央での餅つきに参加し、その様子を見ようと周りには大勢の人だかりができた。茅の輪くぐりや、繁栄を願う紅白餅とお雑煮の配布が人気を呼び、今年も長蛇の列ができた。文協、県連、援協、日伯文化連盟、ブラジル日本商工会議所、サンパウロ市が協力。主催者によれば、当日は約8万人が訪れた。
開会式で「これが今年最後の市の公式行事」と年越しを祝ったのは、毎年出席しているカサビ市長。「これからも市が日系社会の繁栄に協力していく。来年もエネルギー溢れる年にしよう」と活気づけた。大部総領事夫妻と並び、「ビバ!コムニダーデ・ジャポネーザ」と声を上げて餅つきに参加し、賑わう観衆の注目を集めた。
池崎会長は紅白餅の意味を説明し、「来年も平和で実りの多い年に」と祈願。大部総領事は、「年末の餅つき祭りは大切な日伯友好の印」と、同行事の定着を称えた。軍警司令官やセー区長なども迎えた開会式での餅つきや、南米神宮により広場に設置された茅の輪や祭壇に参拝する人々の様子は、グローボなど伯メディアにも取り上げられた。
今年は日系団体・企業からの寄付で集まった約2千300キロの餅米が搗かれ、来場者に2万袋の紅白餅、3千杯のお雑煮が無料で配布された。午前9時からの配布開始に、6時台から並ぶ人がいる人気。紅白餅の列は広場からリベルダーデ通りへ伸び、区画を折り返すほどだった。
この2本の長蛇の列に並ぶのは、なかなか骨が折れること。足のマッサージへ行ってから気合いを入れてきたというのは、タカラベ・トシコさん(68、二世)。毎年楽しみに訪れているそうで「お餅、お雑煮の両方の列に耐えられるかしら」と笑っていた。
開会式の後は東洋会館に場所を移して式典が開かれ、恒例の「渡伯同胞送別の歌」や「一月一日」を出席者全員で合唱、栄子総領事夫人が乾杯の音頭を取った。ACAL日本舞踊部の婦人らによって用意されたお雑煮が来賓らに振舞われた。