ニッケイ新聞 2011年1月7日付け
「ヤマで生まれて、ヤマで結婚し、ヤマで死ぬ。私はここを選んで生まれてきたの」
クリスマスの舞台を、見事に作り上げた弓場農場の熊本由美子さんの言葉が、耳低に残る。
移住者含め、人は本来より適した場所を求めて動く。生まれた場所をそう思える人は幸せだ。
弓場の存続問題である若者の流出が止まらないなら、日本から人を呼べないものか、と思う。
しかし、今の若者に「海外で農業」という発想はちょっとや、そっとじゃ生まれないだろう。
何不自由ない今の日本では他国への関心も希薄になり、「海外雄飛」はすでに死語になった。
しかし、「日本で生まれた」と幸福をかみ締める若者が、どれだけいるだろうか。
ブラジルは、そんな根本的な事を気づかせてくれる場であると、弓場農場で再確認することとなった。(秀)