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財布の中身が気になる年頭=税金などの支払い重なる=特別小切手やカードに依存?=借金地獄には細心の注意を

ニッケイ新聞 2011年1月12日付け

 土地家屋税(IPTU)や自動車所有税(IPVA)、私立校の入学金支払など、通常以上の出費がかさむ時期が到来し、資金繰りには知恵と注意が必要と10日付伯字紙が報じた。2010年の公式インフレが政府目標を上回ったとの報道直後、物価高も今しばらく継続しそうな勢いだ。

 13カ月給が出た後とはいえ、年末年始の物入りで財布の中身が再び乏しくなる1〜3月は、時節柄、税金や教育関係費の支払が重なる時期。公共交通料金値上りも加わり、借金生活を余儀なくされる人も出てくるだけに、普段以上に厳密な支出管理が必要となる。
 IPTUやIPVAの支払などによる支出増が起きる年頭は、歳末商戦期の買い物の支払や、私立校の入学手続き(マトリクラ)に学用品調達など、季節的要因も重なってやりくりに窮する時期といえるが、それに輪をかけるのが食料品を中心とする物価高だ。
 8日付伯字紙には、昨年の拡大消費者物価指数(IPCA)が、政府目標の4・5%を1・5%ポイント近く上回る5・91%だったとあるが、昨年の物価上昇の最大要因は40%の比重を占めた食料品の値上り。
 大型小売店などでは食料品値上りを消費者呼び込みのチャンスととらえているが、消費者にとっては、基本食材のフェイジョン・カリオッカの63・62%や牛肉の29・64%値上りは、雨による農作物減収や流通困難などとあいまって、1月以降も財布を直撃する要因であり続ける。
 一方、ブラジル消費者は、給料日やその直後に特別小切手やクレジットカードを集中的に利用する傾向ありとの報道は11日付エスタード紙。収入を上回る支出をカバーするための特別小切手やカードの利用、請求額の部分返済などは、利息も含む請求が雪ダルマ式に膨らむ可能性があるその場逃れの方策でしかない。
 支出抑制には現金払いが一番だが、13カ月給も使い果たし、年頭の特別支出を賄いきれない場合、税金類を一括で払うか分割で払うか、学用品などの無利息分割払いが可能かなども検討の上、銀行の個人融資を使うのも解決策の一つで、年頭は個人融資利用額が15〜25%増えるという。個人融資や特別小切手、カード利用にはなるべく低利の方法を選び、罰金や余分な利息支払を避けるのも必要な知恵。
 借金地獄に陥ったり債務不履行者のリストに掲載されないためには、年頭に必要な経費を前もって取り分けておくのが最善だが、それが出来なかった人も、入るを知って出るを制す事で借金地獄を避けたいものだ。