ニッケイ新聞 2011年1月13日付け
23万人の死者を出したハイチ大地震は12日で丸一年が経過したが、荒廃した瓦礫の山からは未だ死体が発見される状況が続くなど、復興作業は進んでいない。地震で崩壊した病院や衛生設備の修復も遅れていることから、3600人ものコレラ患者が死亡している。12日付エスタード紙が報じた。
残骸となった廃墟の瓦礫を回収する大型機械がなく、首都ポルトープランスでは倒壊した建物の5%しか取り壊されていない状態で、新たな住宅を建築する土地がないと報告される。81万人がテント暮らし、20万人が崩壊した住居に住み続けている。公務員の5人に1人が地震で亡くなっており、各地域を統括する人がいない状態だ。
各国から提供が約束された46億米ドルの寄付も、現在までに届いたのは8億2400万米ドルにしか過ぎないという状況に加え、専門家は、非営利団体のプロジェクトに寄付された資金が効果的に使用されていない、ハイチ国民の要望に沿っていないなどの問題点を指摘している。また、現地の報告によれば、汚職や煩雑な政府の手続きも復興作業の大きな障害になっているという。
国連の支援復興プログラム代表は「復興には、10〜15年の歳月を要する」と見ている。