ニッケイ新聞 2011年1月13日付け
ブラジル日本語センター(谷広海理事長)で12日、第53回全伯日本語教師合同研修会が始まった。JICA(国際協力機構)、サンタンデル銀行の後援。
全伯の日本語教師を対象に開催しており、今年はサンパウロ州各地、パラナ、リオデジャネイロ、エスピリト・サント、ゴイアス、ミナス・ジェライス、南マットグロッソ、アマゾナスなどから70人ほどが集まった。
今回はテーマ「こうすればできる!」を掲げ、身近にある〃生教材〃の利用法の講習が行われる。そのほか、講演会、ディスカッションによる教師同士の意見交換、交流の場を作ることを目的とした3日間の研修となる。
初参加者から15回を越す常連まで、多彩な組みわせで、研修生の発言を主体とした『参加型の研修』を実践する。
センターの佐々木佳子さんは、「日本語教材は高く、中身を選んで買うことなども難しいが、案外身近に教材になるものはある。それが生教材。それに気づいてもらう事になれば」とその狙いを説明する。
今は、インターネット上で教材となるものが溢れているが、教員でもそれに気づかないことも多いという。
同日の開校式には、谷理事長ほか、大部一秋在聖総領事、芳賀克彦JICAブラジル事務所所長、内山直明・国際交流基金聖日本文化センター所長、山田康夫県連副会長、江副隆秀・新宿日本語学校校長らが出席し、それぞれに日本語学習、その普及の意義を述べ、教師らに激励の言葉を贈った。
開校式後、顔を赤くして、皆の前で自身の教育法を説明したモニカ・フェルナンデスさん(23、アルモニア学園)は、「学校で自己教材を良くしていかなければならない。多くを学びたい」と意気込む。今回初参加、人前で日本語を話すことはまだ苦手だという。
同研修実行委員長の志村マルガレッチさんは、「最近の日本語の授業は視聴覚に訴えるダイナミックなものでないと興味を引けない」と教材、授業の工夫の重要さを語り、「せっかくの機会、研修を通じ何か具体的に持って帰れるものを学んでくれたら」とエールを送った。