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教育省が高等教育を評価=質悪い私立の奨学金カット=需要高い工学に学生集まる

ニッケイ新聞 2011年1月15日付け

 教育省が2137の高等教育機関を対象に実施した調査で、5段階評価の最高水準を得た機関はたった1・2%となり、教育レベルの低さ、学習環境の不備が露呈した。教育省は、同調査で3回にわたり低い水準を示した15機関の運営を制限するほか、私立機関が開講する1696コースの奨学金を打ち切る。14日付伯字紙が報じた。
 調査の対象となった高等教育機関で、十分な教育の質が維持されていないと判断されたのは、68万人の学生が通う699機関。そのうちの93%が私立で、規模では5位以内に入るバンデイランテ大学(Uniban)も含まれた。
 この結果から、教育省は過去3回の調査で低水準のままだったイビラプエラ大学、イグアスー大学、ノルテ・パウリスタ大学研究所など15機関に対し、同省の許可なく新たな学部の設置や定員数の増加を行うことを禁止。来年度の入試実施が許可されない可能性もある。
 また、教育省は全国の奨学金を受給する学生の約半数、65万2千人が利用している奨学金制度Fies(高等教育支援基金)で、私立の1106機関1696コースへの支援を打ち切る。その56%が理系コースとなっている。
 また、今回の調査で、分野ごとに発展しているコースはサンパウロやリオに集中せず、全伯に散らばっていることも示された。医学だったらマット・グロッソ連邦大学、法学ではリオ・グランデ・ド・スル連邦大学、動物飼育学はミナスのヴィソーザ連邦大学、地理学はパラナ連邦大学、観光学はサンカルロス連邦大学となった。サンパウロ総合大学とカンピーナス州立大学は同調査に参加していない。
 業界からの人材の需要が急激に高まる工学分野では、2004〜09年の5年間で工学部の卒業生が3万3千人から5万5千人へと67%増加したが、同学部卒業者は他の発展途上国に比べても少なく、業界では外国人技師の雇用が進む。工業連盟の報告によれば、需要の拡大に合わせて年間8万人の学士輩出が必要になるというが、同時にコースの質の向上も迫られている。

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