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ジルマ氏、対イラン姿勢硬化=「女性としてほっとけない」

ニッケイ新聞 2011年1月15日付け

 ジウマ・ロウセフ大統領が昨年11月に、姦通罪で石打刑と決まったイラン女性の件を「女性の人権侵害も甚だしく、国家元首に選ばれた女性として黙っていられない。(石打刑なぞ)野蛮極まりない」と批判したことなどについて、イラン政府が10日、同国ブラジル大使館に電話で抗議したと12、13日付エスタード紙が報じた。
 9日発行のVeja誌は、アントニオ・パトリオッタ外相も同様の立場を表明と報じており、イランの反体制派はイランの人権侵害問題に関するブラジル政府の宣言を歓迎。国連(UN)決議でも、ブラジル政府が同様の立場を貫いてくれることを期待している。
 反体制派の一人で、イラン政府に逮捕された女性弁護士釈放を訴えるカジジェ・モグハダンさんは、ジウマ政権が同国女性の人権問題について繰返し発言したことに対し「ブラジルからの主張には満足している。少なくとも女性に対する暴力について公共の場で問われるようになる」と発言。ジウマ大統領の発言は同国女性の人権運動に〃大きな影響〃を与えており、同国政府の行動は〃不快感〃の表れだという。
 同国では、男女同権を法的に確立しようとする女性が抗議行動を起こした06年に、イスラム法に基づく女性差別に反対する女性の声を集めるための〃100万人の署名〃運動も始まっている。
 また、11日付フォーリャ紙によれば、ブラジル人作家のパウロ・コーリョ氏が10日、友人で編集者のアラシ・ヘジャジ氏から、イスラム文化指導省が同氏の作品販売を禁止したと知らされ、ブラジル政府に助けを求めた。これに対し、イラン政府は13日朝、同氏の著作の販売を禁止したことを正式に否定した。アラシ氏は09年の大統領選挙のデモ中に殺害されたネダ・アグハ・ソウタンさんの救助に参加して以来、イスラム政権によって迫害されている。