ニッケイ新聞 2011年1月15日付け
【ロンドリーナ発】コチア青年移民として活躍し、2009年12月11日に64歳で他界した張谷典生さんの一周忌法要が、昨年12月19日、ロンドリーナ本願寺に於いて営まれた。
張谷さんは農業生活からはじまり、日語学校教師、空手道場の指導者、大学教授(スポーツ)、最後は僧侶となって佛教の普及に専念するなど、異色の経歴をもつ人物であった。
ロ市に於ける空手道場開設後、州内のバンデイランテス、セルタノポリス、コルネリオ・プロコピオ、サンタマリアナ、ジャタイジンニョ、パラナバイ、ベラビスタ・ド・パライゾに支部が設けられ、現在の門下生は720人、今までには1万人を超える門下生を出している。
戦後の移住者でロンドリーナ名誉市民賞を受けた唯一の日本人でもある。
張谷さんの恩師、平石喜一師範は、昨年8月23日、弔問のためロ市を訪れ、張谷さんの功績を讃えると共に、9月上旬まで滞在して、空手の稽古を行なった。
法要の当日は100人近くが参列。後継者のルイス・ダ・オリヴェイラ師範をはじめ各支部の代表者、ロ市の門下生70人が空手着で焼香したあと、コーラス部員20人が「さくらさくら」など5曲を合唱して、その冥福を祈った。張谷さんの長男の治生さんのお礼の言葉もあった。
門下生の一人、高山登美子さん(73)は、「入門して5年、週3回の稽古に励んでおります。稽古によって心身共に健康になりました。健康保持のためにも継続したいですね」と話していた。(中川芳則通信員)