ニッケイ新聞 2011年1月19日付け
岩手県人会の定期総会が16日午前、リベルダーデの同会館で開かれた。今年は役員改選が行なわれ、千田曠暁会長が6期12年で勇退。一方で事前にシャッパ(候補者連記名簿)が提出されず、当日の立候補者もなかったため、新役員は決まらなかった。
10時半の開会時点で21人が出席し、各報告と審議が行われた。
昨年は年3回の会員交流親睦会や会行事のほか、ブロック行事や日本祭りなどに参加。昨年度会計は収入約9万9千レ、支出約9万レで約9千レ繰越。会館の貸し出しを積極的に行い、黒字となった。今年は10万レの予算を計上し、事業報告・計画と共に承認された。
在任中に会創立45周年、50周年の記念式典を挙行した千田会長。08年の50周年では退職した事務局長の業務も代行し、同県人の杉村濬駐伯3代公使の墓碑改修、岩手芸能祭りなどの記念事業を成功に導いた。さらに、わんこそば大会や郷土食祭りなど会独自のイベントを始め、図書室の書籍無料貸し出しを行うなど、会館利用、会の活性化に努めてきた。
10年の区切りとなる09年の総会で勇退の意思を表していたが、他の候補がおらず、総会出席者の要請を受けて会長を続けてきた。
そして今回、6期で退任を表明。会長は「これ以上続けるつもりはない」と述べ、次期会長のなり手が事前に見つからなかったことを説明し、「総会で誰かを推薦してもらい、役員を選んでほしい」と要請した。
しかし、長年副会長を務める多田マウロさん(46、二世)は、現在も会社員として仕事をしていることから現時点では受けられないと辞退した。菊地義治名誉会長、相談役なども出席して要請したが、多田さんは固辞。他の副会長も就任の意向を示さず、結局新会長を選出することはできなかった。
当日の選出を求める声もあったが、協議の結果、1カ月以内に臨時総会を開いて新執行部を選出することで合意。会長不在のまま総会を終了した。
終了後は新年会が開かれ、約70人が集まって持ち寄りの料理を楽しみながら歓談した。