ニッケイ新聞 2011年1月20日付け
サンパウロで最古の映画館の一つ、1952年創業のベラス・アルテスが2月の明け渡しを前に最後となる映画上映を行っているが、27日に閉館の報道以来、パウリスタ大通りなどでは抗議運動が頻発。18日には、サンパウロ市の歴史・文化・環境遺産保存審議会(Conpresp)が同館のあるビル所有者に、90日間、許可なく改修工事を行うことを禁止。この期間で同ビルの歴史的価値が評価されることになった。建物の所有者フラヴィオ・マルフさんは昨年3月から映画館存続のために後援者を探していた後、意見を覆して新たな店を開くと主張しているという。若者たちの「お金ではなく、文化の保存を!」との抗議メッセージは届くのか。
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19日未明から強い雨に見舞われたサンタカタリーナ州で洪水が起き、16市に被害が出ているとG1サイトが報じた。16時現在の報道では4千人以上が床上浸水などで避難が必要な状況というが、人的被害は負傷者数名の報告が出ているのみのようだ。11市が水不足で非常事態宣言中など、州の半分以上が旱魃(かんばつ)に悩まされている南大河州でも、18日午後からの雨で海岸地方の町で洪水発生。2008年にサンタカタリーナや南大河などで起きた大水害の二の舞にならないよう願わされる。この種の記事を見る度、洪水後の病気や農牧業も含む復旧への懸念が…。