ニッケイ新聞 2011年1月20日付け
地域、国境を越えた友達を作りましょう!—。日本語を学習する少年少女の交流の場をつくる、「第12回日本語ふれあいセミナー」(ブラジル日本語センター主催、谷理事長)が、18日から21日までの日程でサンパウロ市、北海道協会会館を中心会場として開催されている。
同セミナーは13歳から16歳までの日本語学校に通う生徒らが共同生活し、参加者同士の親交を深めることを目的に毎年開催している。期間中は、10個の班に分かれ、ゲーム、日本文化体験、日系企業、東洋街見学などを行う。
今年の参加者は120人。サンパウロ州、パラ、マット・グロッソ・ド・スル、ミナス・ジェライスなどに加え、ボリビア国サンタクルス県サンファン市からも10人が参加した。2国間の共通語は日本語だ。
18日の開講式では、谷理事長が、「他人と心が通えば生涯の友となる。それを作りたいと思うこと、優しくすること、その人の為になることを思って行動してください」と子らに語りかけた。
大部一秋総領事が、「友情を培って、将来にわたる宝を手に入れてください」と述べた後、協力団体代表者らの紹介等が行われた。
式後には、「期間中、極力日本語を使うに。集こと。団行動を意識すること」など、セミナーでの心得などが説明され、参加者の班分けと自己紹介の時間となった。各班には参加者とは別に、セミナーのOBたちがモニターとなり、班での進行を行う。
緊張の面持ちで、日本語での自己紹介を恥ずかしがる子には、声援が贈られるなど、和やかにプログラムが始まった。
実行委員長を務める、同センター副理事長の日下野良武氏は、「日本の理解者になってくれるこの子たちを大切にしたい。この多感な時期だからこそ感動も多く、将来、日本文化や日本語に触れたという記憶だけでも残ればそれだけでもいい」と開催当初からの思いを語る。
サンファン市、サンファン学園の生徒らの引率として来伯した同学園の教師川上梢さんは、「子供たちは他の地域の日系人と接する機会が少ない。恥ずかしがりやで引っ込み思案。今日もすっかり緊張しています」と生徒たちを見守り、「生徒には、友達を作っておいでと言いました。4日後が楽しみです」とセミナー後の生徒の姿に期待を寄せた。