ニッケイ新聞 2011年1月25日付け
1月25日で創立457周年となるサンパウロ市。南半球最大の都市となったサンパウロ市では、様々な記念行事も行われる。
サンパウロ市の歴史は1554年1月25日、インディオに対する布教のため、ポルトガル王ドン・ジョアン3世の依頼で派遣されたイエズス会宣教師団のジョゼ・デ・アンシエッタ修道士が、マヌエウ・ダ・ノブレガ修道士らと共にアンニャガバウ川とタマンドゥアテイ川の間の急坂な丘の上にイエズス会の学校を建設し、宣教村を創設したことに始まる。
サンパウロという名前の由来は、学校創設日がカトリック教会の祝日である使徒パウロ(タルソのパウロ)の改宗日と同じであったため。セントロにあるパチオ・ド・コレジオには最初のミサを行った土壁作りの小さな家の壁の一部が現存。最初の居住地となったコレジオ周辺はピラチニンガと呼ばれていたが、サントアンドレ・ダ・ボルダ・ド・カンポ(現在のABC地区の開拓村)住民を移住させた1560年にヴィラ・デ・サンパウロと命名された。
1711年に正式に市となり、1815年にサンパウロ州都となった。12年後にはラルゴ・デ・サンフランシスコに最初の大学(法学部)が創設され、ブラジルの政治や学問の中心となったが、経済の中心となったのはコーヒー生産が拡大した19世紀後半だ。
現在の人口は1100万人を超え、南半球で最多。大サンパウロ市圏の人口2026万人は世界的にも東京、デリー(インド)圏に続いて世界3位。また、世界経済や文化その他に与える影響力の大きさでは、リオデジャネイロを凌ぎ、世界で14番目となっている。
サンパウロ州の商品、サービスの生産の36%を占めるサンパウロ市は、ブラジルの国内総生産(GDP)でも12・26%を占め、市別GDP額で世界10位となっている。
市中心部にあるサンパウロ証券取引所(Bovespa)は中南米最大の取引高を誇る。特に2000年代以降、国外からの投資の増加を反映して活況を呈している。また、2010年9月には、英国のシンクタンクのZ/Yenグループにより、世界第44位の国際金融センターと評価された。ブラジルに進出してきた多国籍企業のうち、63%はサンパウロに設立されている。
平均収入もブラジルで最も高く、2009年には個人所有のヘリコプターとヘリポートの数が世界一になった。市内のチエテには、ニューヨークに次いで世界で2番目の規模という遠距離バス用の巨大なターミナルがある。