ニッケイ新聞 2011年1月27日付け
25日に457回目の誕生日を迎えたサンパウロの街では、ショーやスポーツの大会など様々なイベントが催された。25日付伯字紙では興味深い数字を列挙しながら、様々な視点から常に変化し続ける街の素顔を紹介した。
現在、1124万4365人の人口を擁し、市別の国内総生産額3200億レアルを誇るこの街は、南米全体の国内総生産の15%を占める一大都市。移民も多く、最大のコミュニティはベレンジーニョ区のポルトガル人1万3千人、2番目はモオカ区のイタリア人1万1千人、3番目は同じくモオカ区に集住するレバノン人9千人。日系人1千人が住むリベルダーデは6番目にあがった。
こういった民族の流入から多様性に富むのはサンパウロでの食生活だ。1日に百万枚という数字はサンパウロ市で消費されるピザの枚数、街の至るところで1分間に720枚ものピザが用意されている計算になる。日本食ブームではすしの消費に火が付き、1時間あたりの消費量は1万7千個という。
外観では、公立公園が4500カ所、緑地面積は1900万平方メートルで、明るく賑やかな街という様相通り、街灯の数は世界の都市でも最も多い53万個。一方、人口の多さとインフラ設備の不足から住民を悩ませているのが毎日の交通で、1日の地下鉄利用者は300万人にのぼり、バスの運行台数は1万5千台、タクシーは3万2766台とラ米第3位の量だった。
最も職場の多いオフィス街に選ばれたのは南部のイタイン・ビビ区だ。8460社の5万4873人の企業家が通う同区は、ここ30年の間に居住地からオフィス街へと変貌。同区の会社員は月給7千レアルから1万2千レアルで28〜35歳の若手が多く、付近には購買力の高さに眼をつけたバールやレストランが集中している。イタイン・ビビ区の他には、レプブブリカ、ヴィラ・マリアーナ区などが雇用の多い地域に挙がった。
独身者が住むのに推薦されるのは、サンパウロ市西部のピニェイロス区。人口の7%が結婚適齢期で独身という同区では、街で女性に声を掛けて連絡先の交換に成功したという男性の明るい声も聞こえて来る。逆に、既婚者が最も多かった地域は、既婚者人口が独身者人口の6倍以上というクルシノ区で、同区カトリック教会の神父は結婚式の多さを誇っているようだ。