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サンパウロ州北部沿岸=1年で不法建築180軒も=山並みせまる海岸都市で=市職員が賄賂受取り許可=危険地域に3階建て並ぶ

ニッケイ新聞 2011年1月28日付け

 大西洋海岸地帯(マッタ・アトランチカ)に属し、大規模な土砂災害に見舞われたリオ州山間部から続く山脈セーラ・ド・マルが海岸に迫るサンパウロ州サンセバスチアン市で、1年間に180軒もの家屋が不法に建てられたと23日付エスタード紙が報じた。不法建築はここ2年、目に見えて増加という同市の実態を24〜26日付フォーリャ紙も追っている。

 港の改修と岩塩下の石油開発などで近年とみに注目されるサンパウロ州の海岸都市サンセバスチアンは、サンパウロ州でも最も美しいとされる海岸を有し、平米あたりの土地単価が海岸部で最も高い町だ。
 風光明媚で石油開発による収益も期待できる海岸都市という条件は、住宅需要の増加と開発可能な土地の少なさという問題直面も意味するが、そんな町に、市条例が禁じる3階建ての高級住宅やホテルが増え、森林地帯の只中にも家が建てられているのは何故か。
 エスタード紙の1年に不法建築180軒という数字は、パラグライダーで市上空を飛び、毎週撮影した航空写真をもとに解析したもの。アトランチカ海岸愛好者連盟のセルジオ・ペレイラ・デ・ソウザ会長は、山脈が沿岸まで迫る海岸地帯は開発する余地が少なく、土砂崩れが起きる可能性も高いと警告する。
 一方、24〜26日付フォーリャ紙によれば、開発が禁じられている森林地帯で土砂災害の可能性も高い危険地域に立ち並ぶ3階建て高級住宅は、市職員が賄賂を受取り、メザニンと呼ばれる低天井の上層階付として認可した家屋を改築したものだという。
 汚職職員として名が挙がった一人は、市が違法性を指摘し、取り壊し申請をした3階建てホテル所有者の車を数カ月前から乗り回していた、監査官で技師のルイ・ヴィダウ・コスタ氏。ホテルそのものは、和議により改築もしないまま営業継続中だが、山裾に建築されたコンドミニアムの中には、裏山が崩れて土砂が流入した所もある。
 不法建築が多いのは、ジュケイ、ボイスカンガ、マレジアス、バレイア、カンブリ、バレケサバ地区など。コスタ氏ら11人が働く部局の長は汚職などあずかり知らぬというものの、市役所側は25日に、09年以降に許可された物件全ての再監査とコスタ氏解任を発表。同氏を告発した元監査官のマヌエウ・ジョアキン・フォンセッカ・コルテ氏についても、現職時代の職権乱用などで起訴する意向という。
 教育、保健サービスの良さゆえに転入者も多い同市では、住宅需要の高まりに応えるための条例見直しも検討中だが、保護対象の森林地帯に属する急勾配の斜面では年に1・5〜2・5メートルの地滑りが起きている所もあり、住宅政策には慎重さが望まれる。

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