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サンパウロ市=外国投資は増える一方=開発可能な土地不足が悩み

ニッケイ新聞 2011年1月29日付け

 1月25日に457周年を迎えたサンパウロ市は2010年度の外国投資の3分の1を受け取ったと25日付フォーリャ紙が報じた。サンパウロ市経済開発局の推定によれば投資額は100億ドル以上で、市の不動産プロジェクトの資金の一部などとなった。
 市別の国内総生産(GDP)で世界10位のサンパウロ市は、基礎設備や交通、治安や洪水などの問題にもかかわらず、国内最大の投資先としての地位を維持。2025年には市別GDPで世界6位になると推測されており、投資先首位という立場もあと15年は続く見込みだ。
 プライスウォーターハウス・クーパース社(世界4大会計事務所の一つ)によれば、人口1120万人のサンパウロ市はまだ新しいビジネス展開のチャンスを残している。「サンパウロ市は多文化都市であり、文化や観光の面で未開発な部分がある」と同社共同経営者のハゼン・ガラウ氏は述べている。
 しかし、サンパウロ市の不動産プロジェクトの難点は開発可能な土地不足。労働経済推進局のマルコス・シンツラ局長によれば、北部には開発制限のあるセーラ・デ・カンタレイラが広がり、南部は環境面での制限がある。西部にはこれ以上のスペースがなく、今後数年で拡大する余地のあるのは市東部のみだ。
 この考えを反映するかのように、サンパウロ市市役所がセントロと東部を結ぶ幹線道ラジアウ・レステのイタケーラからグアイナーゼスまでの延長工事の入札を終了と27日付エスタード紙が報道。2014年のW杯会場としてイタケーラに建設されるコリンチアンスの競技場が選ばれてから一段と重要度を増した市東部にとり、ラジアウ延長は地区開発と発展の鍵だ。
 総工費1億3100万レアルと見積もられる工事は、OAS建設会社率いるコンソルシオ・ポンタウ・レステが行う。2月初めの契約締結後、2年間で工事を完了し、W杯までには開通の予定。