ニッケイ新聞 2011年1月29日付け
在クリチーバ日本国総領事館(山口登総領事)はセニョール・ボン・ジェズス・ドス・パッソス慈善病院(サンタカタリーナ州ラグーナ市)との間で、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」における資金贈与契約を締結し、10日同公邸で調印式を行った。支援金7万4056米ドルはコンピューターエックス線撮影機器の購入に充てられる。
同病院は同市で唯一の総合・救急病院で、市民、地域住民そして低所得者層の人達に対して150年にわたって総合医療サービスを提供して来た。現在は、140人が勤務する。
人口約5万2千人の同市住民の約7割が、漁業や農牧畜業などの第一産業に従事し、低所得者層に属するという。
患者は、診療・治療費が無料である統一医療保健システム(SUS)を利用することになる。連邦政府や州政府そして市からの交付金が収入の多くを占める同病院では、2009年では約70%に上り、財政圧迫の原因となっている。
また5階建ての建物は老朽化が目立ち、病院の設備や維持管理には十分な予算が充てられておらず、運営を継続していくこと自体支障は生じていないものの、高額な医療器具の購入は困難だった。
今回の医療機器導入により、同市やその周辺市の住民約7万1千人に直接的に、夏季休暇に地域を訪れる観光客や長期滞在者延べ30万人に間接的に裨益するものと期待される。