ニッケイ新聞 2011年2月3日付け
1日付伯字紙が、昨年のサンパウロ州での犯罪発生率は、2009年と比ベ全体的に低下したと報じた。意図的殺人の数が5・3%減り、1999年以来最低水準を記録したほか、強盗殺人が16%、誘拐が13%減少したという。
サンパウロ州の殺人事件減少は大サンパウロ市圏(グランデ・サンパウロ)での発生数が14%低下したことが主な原因だが、それでも被害者は4543人。09年の4785人より減ってはいるが、10万人あたりの殺人被害者は10・48人で、世界保健機構(WHO)が10万人あたり10人以上の殺人が発生している地域につける〃殺人流行ゾーン〃の汚名は返上できていない。
また、毎日、少なくとも825人が住宅や車、路上での強盗被害に遭っている。2010年の強盗事件発生数は23万2907件で、過去10年間では、09年の25万7022件と03年の24万8406件に次ぐ、3番目に多い数となった。
一方、州内での強盗事件が9・4%、スリや窃盗事件も4・3%の減少を見せるなか、懸念されているのが南部沿岸。サントスを中心としたバイシャダ・サンチスタは州政府の心配の種で、サントスの第6司法警察署エリア(Deinter6)では、強盗事件などの発生数が若干だが増加している。
このエリアは09年の殺人事件増加の原因となった地域で、軍警察司令官のアウヴァロ・カミーロ大佐は1月31日に、「この辺りの地形は犯罪実行に有利で、警察側の行動の妨げになっている」と説明している。
1日付フォーリャ紙では、リオデジャネイロ州でも犯罪件数が減少し、殺人事件は犯罪数の集計が始まった1991年以来最低水準を記録したと報じた。それでも、10万人あたりの殺人事件発生率は29・8で、サンパウロ州の約3倍になる。
2日付フォーリャ紙によると、サンパウロ州内で最も危険とされたのは大サンパウロ市圏のフランコ・ダ・ロッシャ市。昨年は住民13万1603人の町で28人が殺害され、10万人あたりの被害者は21・28人。被害者は09年の26人と比べ、5%の増加となっている。
1999年には10万人あたり102・82だった殺人事件発生率が12年間で激減したといわれたディアデマ市も、昨年は81人が殺されており、09年の57人から42%も増えている。