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高速鉄道応札まで2カ月=郵政公社も入札参加か=新たに関心示す企業現る=規定書変更なら再延期か

ニッケイ新聞 2011年2月4日付け

 昨年11月に4月への延期が決まったリオ〜サンパウロ〜カンピーナス間高速鉄道(TAV)の入札を前に、水面下の動きが活発化していると3日付伯字紙が報じた。昨年は韓国企業を軸としたコンソーシアムのみの参加を嫌った政府がぎりぎりになって期日延期を決めたが、4月11日の応札まであと2カ月の時点で、郵政公社の入札参加の可能性も出てきたようだ。

 総額331億レアルの大型企画TAVは、ジウマ政権が何としても早期実現にこぎつけたいプロジェクトの一つ。3日付フォーリャ紙が報じた郵政公社の入札参加案も、再び入札が流れるような事態を避けたいという政府の意向の表れだ。
 昨年の入札延期は、関心を示していた日、仏、独などの高速鉄道事業先進国が、採算性などへの疑問が解決できず不参加を表明したため。全ての問題解析を終え、運賃設定を含む企画書を調えたのは韓国グループだけという事実は、TAV敷設コースの地勢情報など、計画全般への不安が残っていた事の反映だ。
 現在も、331億レアルの総予算では無理、採算が取れなかった場合はブラジル政府がどの位の補償を考えているのかといった問題を口にする人々がいる一方、9日には社会経済開発銀行(BNDES)の公聴会など、入札に向けた準備は徐々に進められているようだ。
 フォーリャ紙が報じた郵政公社の入札参加は、収益の半分を占めるサンパウロ市〜リオ間の物流がより廉価で確実になるなら、公社にとっても有利な商談と説明されているが、記事冒頭には、参加決定が入札流れを懸念する政府側の働きかけである事も記載されている。
 郵政公社がどの建設会社と組むのかはまだ検討中だが、同紙によれば、同公社の入札参加には規定書の変更が必要で、入札が再び延期される可能性もあるという。
 一方、エスタード紙によれば、入札に向けた動きは、昨年の入札には参加を表明していなかった企業の中でも活発化。
 サンパウロ州公共事業請負業者連盟(Apeop)を主体とするグループ16社が、サントス港などの港湾事業参加企業の中国通信建築会社(CCCC)取り込みに動いているのもその一例で、Apeopのルシアノ・アマディオ会長は、TAV計画の諸問題は解析済みで、見積もとり始めているとした上、TAV計画にはいくつかの変更が必要との見解も示している。
 現時点でのTAV入札は、参加希望企業からの書類提出(応札)期日が4月11日、開札は同29日。韓国グループ内では、車両用の機材製造会社が国内工場建設用地を探すなどの具体的な動きも出てきているという。

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