拡大するタブレット市場=Asus社、伯向け輸入=年末までには30万台の目標
ニッケイ新聞 2011年2月9日付け
小型コンピューターやノートパソコンなどで知られる台湾のAsus社が、アップル社のiPad(アイパッド)に対抗するため、ブラジルの中流クラス消費者を視野に入れ4種類のタブレット導入を計画中と1日付フォーリャ紙が報じた。
タブレットとは、指で操作出来るタッチパネルやペン型入力装置を使って操作する表示板(ディスプレイ)付の製品で、紙のサイズでいえばA5〜A7に相当する大きさの商品だ。
電子書籍の登場で注目され始めたKindleやiPadもタブレットの一つで、Asus社では、iPadに対抗する商品第1号となるEee・Slate(999ドル)を6月までに輸入する意向。同社では年末までに、ブラジル国内で30万台のタブレット販売を目指している。
現在、ブラジルのタブレット市場はアップル社に支配されており、昨年は6万4千台のiPadが合法的に輸入された。
アップル社のiPhone(アイフォーン)は世界的な人気商品で、ブラジルでもiPhone4は昨年12月以降品切れ状態が続いている。iPadもブラジルは世界で最も高値で売られているにもかかわらず、発売当日に在庫がなくなる店が出るほどの売れ行きを見せたと4日付エスタード紙が報じている。
一方、iPadなどのタブレット普及により、近い将来、デジタル新聞はメディアの大半を占めるであろうとの記事が7日付フォーリャ紙に掲載された。
4日付エスタード紙にも掲載された、米News・Corpが2日、iPad向けに創刊した初のデジタル日刊新聞「The Daily」を発刊した事に関連するもので、テキスト状本文他、写真、音声、動画も盛り込んだ同紙は、ニュースや論説、スポーツ、アート、ゴシップ、ゲームまであらゆる分野の記事を提供。週99セント(1・66レアル)で内容を満喫した読者は、記事に対しテキストまたは音声でコメントでき、FacebookやTwitterなどでの記事の共有も可能だ。
新しいメディアの第一人者でアメリカ人のコンサルタント、ケン・ドクター氏は、こういう企画が好評を博せば、同じ記事内容がネット上で無料配信されていたとしても興味のあるニュースにお金を出す読者が現れるだろうと述べている。
ブラジルでも近い将来、新しい技術と新しい商品普及によるメディア変革が起こるかも知れない。