ニッケイ新聞 2011年2月9日付け
ジウマ大統領は3日、新政権最初の保健プログラム〃オ・サウデ・ノン・テン・プレッソ〃(健康に値段はない)を開始したと4日付エスタード紙が報じた。
今回のプログラム導入は選挙公約の一つで、高血圧や糖尿病治療薬の無料配布を行うもの。プログラムに参加する薬局1万5千店舗では、14日まで限定で10種類の薬を無料で提供する。対象となる薬は、3日まで政府と共同で支払うシステム(政府が最大で90%を負担)で販売されていた物で、従来は消費者が不足分を支払っていたが、14日までは、処方箋と納税者番号(CPF)、写真付き身分証明書を提示するだけで受け取る事ができる。
アレシャンドレ・パジーリャ保健相は、新プログラムは、製薬会社と小売店、政府間の合意によって実現したもので、新プログラム導入で期待される売上増加と引き換えに、製薬会社と小売店は消費者から受け取っていた利益取得権を放棄したと話した。
このプログラムのための政府予算は4億7千万レアル。保健省医薬品支援局のジョゼ・ミゲウ・ド・ナシメント氏の計算によると、民間企業の損失は1億レアルになる。「政府は合意内容には干渉しておらず、製薬会社や配送業者、薬局は、それぞれに、利益損失を受け入れた」という。
ナシメント氏は、「店に入った消費者はシャンプーや歯磨き粉も買っていく」と説明し、同企画の導入でそれ以外の商品の販売が増えると予想しているが、どの位の売上増加が期待されるかは推定していない。
また、8日付フォーリャ紙では、健康保険会社がSUSなどを使って高価な医薬品の支払いを回避していると報道。患者をSUSの医療機関に送り、自社が補わなければならない薬や治療を政府負担とさせた例が見つかっているという。
対象薬はCoptopril 25mg、Melato de enalapril 10mg、Cloridrato de propranolol 40mg、Atenolol 25mg、Hidroclorotiazida 25mg、Losartana Potassica 50mg(高血圧用)、Glibenclamida 5mg、Cloridrato de metformina 500mg、同850mg、Insulina Humana(糖尿病用)の10種だ。